ヒスイ巫女3
「ヒスイさん、あなたには今日事件の解決に陸さんと出てもらう。」
事件とは、連続殺害事件。
夜中にふらっと現れたと思えば急に隣人を斬り始め近くにいる者を惨殺する凶悪事件。
「巫女の国の兵隊にも死人がでている。これは国として止めなければならない事件である。次期巫女として恥ずかしくない行動をとってください。」
巫女様はいう事だけ済ましてどこかに行ってしまった。
ヒスイは陸と合流した。
「お兄ちゃー陸様!お久しぶりです。」
と頭を下げた。
「ヒスイ、顔を上げろ。兄妹なのにそんな他人行儀にしなくていいぞ。」
ヒスイは顔をあげた。
いつものヒスイの笑顔。
それを見て陸はホッとした。
蒼が亡くなってから時間がたったとしても、心の傷は無くならない。だからこそヒスイが変わってしまう気がするような気がしていた。
でも何も心配いらなかったようだ。
「それでその殺人魔どこにいるかわかるの?」
本題に入った。
「分かっていない。でも次に人を襲うかもしれない候補が2つある。」
「じゃあ、その1つを私と半数の兵隊ともう一つをお兄ちゃんと半数の兵隊とで守るんだね。」
「そう言う事になる。できれば犯人を捕まえたいが最低殺害が防ぐのを目標とする。
連絡はヒスイと俺のテレパシーを使う。」
ヒスイは指示を聞いて予想されている場所へと移動した。
殺人魔が来るのは夜10時以降今は9時なのでまだ時間はある。配置に付き兵隊の一部とヒスイは話をしていた。
「ヒスイ様は次期隊長と呼ばれる人の婚約者だったって本当ですか?」
「え、うーん婚約者だったかな。」
「凄いですね!国の隊長に選ばれるなんて人握りしかいないのに!しかもこれまでで一番強い人だったらしいですか!」
興奮しているようだった。
それもそうだろう。
蒼がいなくなった後の兵隊は荒れた。だれも蒼のように次期隊長になろうとせず、一時期は兵隊が無くなるような危機に迫られた。だが、蒼の変わりに蛍が入った。
蒼の弟という事で受け入れられ、兵隊を元の姿に戻した。
そして他の人を隊長に指名し今兵隊は安定している。
「そうだね。強かった。誰よりも・・・」
ヒスイは遠い空を見るような目で話していた。
そんなこんなしているうちに9時55分
「「10時5分前全員対戦配置」」
ヒスイと陸が叫ぶと兵隊達は配置についた。
10時
ヒスイのいるところでは何も異変は起きない。
ヒスイは陸に連絡をとった。
{こちら、ヒスイ現在異常はありません。}
{こちら、陸殺人魔が現れたもよう、至急援護を頼む。}
ヒスイは声をあげた。
「陸様のところに殺人魔が現れたもよう、兵を私の前に集めろ!」
兵隊はヒスイの前に集まり、ヒスイは力を使った。
「転送」
一斉に陸の場所に移動した。
「一斉攻撃! 」
兵隊達は殺人魔を捕まえる為に攻撃を始めた。
そんな大勢に攻められては殺人魔は手も足も出ない。
あっさりと捕まった。
「くそ、」
殺人魔は深くフードを被っていて、片手には刃物が握られていた。
陸が近づき話しかける
「なぜこんな事をした?」
優しくなだめるように・・・
「お前なんかに誰が話すか!」
陸は兵隊を離れさせた。
このままでは警戒心を出し何も話してくれないと思ったからだ。
だが兵隊が近くにいなくなってから予想外な事が起こった。
兵隊を移動させ、落ち着いて話せると思い犯人の方を向くと、

犯人の上に馬乗りになっている少女がいた。
少女は犯人が持っていたはずの刃物を持っており、首元に押し当てている。
そのせいで首からは血が少し流れていた。
犯人は殺されると怯えていた。
「ヒスイ!何してる!」
陸は声をあげただがヒスイには声が聞こえていない。
「た、たすけて」
「助けて?お前はそう助けをこう人を殺し、いたぶってきたのだろ!何人殺した何人人を傷つけた!」
ヒスイの後ろに鬼神が見えそうなぐらい怖かった。もちろんその覇気は犯人にも伝わった。
「その命で償え!」
その言葉と同時に刃物が犯人の首元に振り落とされた
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