アイザワさんとアイザワさん
プロローグ

似た者同士、という言葉がある。

私と彼は全然似ていない。

だから、惹かれ合うはずがない。



同属嫌悪も、同じこと。


似ていないのだから、嫌いになる理由なんて一つもない……はずだ。



だから私と彼との間には、何かの感情が生まれるはずなんてない。



でも、この心に沸き上がる微妙な感情は何なんだろう。



私は、未だにこの気持ちにうまく名前がつけられないでいる。

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