アイザワさんとアイザワさん
11月。蓋が…開いていくのです。
11月19日。
毎年11月の第三木曜日に私は必ずおばあちゃんのお墓に行く。
おばあちゃんが毎年楽しみにしていたボジョレー・ヌーボーの解禁日だから。
コンビニというものは凄く便利で、予約もできるし、何なら解禁日になったその瞬間にボジョレーを手にすることができる。
「予約分は販売とは別に寄せてある。間違いないように日夕勤まで申し送ってくれ。」
夜勤明けの相澤から申し送りを受ける。
……あの日以来、私達は仕事上での必要最低限の会話しかしなくなった。
あの日、目を覚ますと既に相澤の姿は無かった。隣にいたらどういう言葉をかけていいか分からなかったから、部屋にいないと分かった時は、正直ほっとした。
でもそれ以来、相澤は私と目を合わせようともしてくれない。
今まで『恋人同士』に見えるくらいには仲の良かった私達だったから、最初のうちは皆から心配された。
茜さんからは「ケンカはね、意地を張り合ってると拗れるの。どっちが悪いか知らないけど、ダメになる前に仲直りしなさい。」と私から折れるように、と言われた。
だけど、目も合わせないで私を避けている人とどうやって話をすればいいの?
もう私に『興味』すらないの?
そう思ったら、私から話かけることなんてとても出来なかった。