アイザワさんとアイザワさん
私もどうしたんだろう?と思いつつ、モニターに目を移す。
レジ前を映すモニターには、源ちゃんがお店に入って来たのが映っていた。
だけどいつもなら陽気に手を上げながら入って来るのに、今日は何だかふらふらとして様子がおかしかった。
……顔色が悪い。
源ちゃんは茜さんのいるレジへと向かって歩いていたけど……
そのまま引っ張られるように、ゆっくりと後ろへ倒れてモニターの視界から消えた。
「……源さんっ!!?」
店のほうから茜さんの驚いたような叫び声が聴こえてきた。
……倒れた?!
茜さんがすぐに駆け寄って「源さん!大丈夫ですか?」と抱き起こそうとする様子が見えた。
茜さん……触っちゃ、ダメ!
そう思って止めようとした、その瞬間、
「動かすな!!」
驚くくらいの大声を上げて、相澤がスタッフルームから飛び出して行った。
私も携帯電話を掴んで飛び出し、相澤の後に続く。
びっくりして止まってしまった茜さんを制して「救急車を呼んでください。」と相澤は言った。
その間にも、相澤は源ちゃんの様子をうかがいながらも、身体を横向きにしたりベルトを緩めたりとてきぱきと応急の対応をしていった。