アイザワさんとアイザワさん
「7月の鞠枝さんの送別会の日に、私が店長を事務所まで送りましたよね?ベッドに寝せた時に……店長が私の手を掴んで『行かないでくれ』って言って泣いたんです。」
「前は適当にごまかしましたけど……私、その顔を見たら自然とキスしてました。どうして泣いたんですか?」
覚えてますか?と聞いて相澤のほうを見ると、少し考えこんでからはっと何かを思いついた表情に変わった。
そして「相沢、ごめんな。」
と一言だけ言うと、相澤は静かに話しはじめた。
……それは、私の知らない4年前の相澤の、
……レオ先生の記憶だった。