アイザワさんとアイザワさん
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デイルームは、スタッフと利用者が一週間かけて手作業の時間で作った作品で飾ってあって、いつもより明るく賑やかな雰囲気になっていた。
行事がある時だけは、医院の医師も看護師もデイサービスの手伝いに回る。
「あれー、レオ先生こんにちは。」
早いですね、と言いながら翠さんと一緒にデイルームの玄関に現れた相沢 初花は、いつもより女っぽい格好をして、足元はヒールのブーツだった。
思わずじっと見てしまったらしい。
「ボランティアっぽくない格好でごめんなさい……終わった後用事があるんです。」
申し訳なさそうな顔で彼女が言った。
『用事』か。彼氏と一緒に過ごすんだろうな。
「ごめんごめん。見たことない格好してたから。……そのヒールの高いブーツは中まで履いて来ないよね?俺の隣に立たなかったら履いて来てもいいけど。」
「先生、身長のこと……気にしてます?大丈夫です!ここで脱ぎますから。」彼女は遠慮がちに笑いながら言った。
背は気になるけど、格好は気にしなくていいよ、と声をかけてデイルームの中へ入った。
こうしてちょっとだけでも会話ができるのが嬉しいなんて……瞬にバカにされてもしょうがないよな、と思う。