アイザワさんとアイザワさん

「お疲れさまです……もうお昼なんですね。」


相澤は昼からの『サポート』だ。そして、勤務が終わってからも夜勤のサポートをする。


私は休憩が終わったら、今度は日夕勤の藤田くんと一緒にレジに立つことになる。

そして、勤務が終わっても藤田くんに休憩を取らせるためにまた『サポート』に回る。


鞠枝さんが辞めてから、なかなか新しい人が定着しないうちの店は、3人体制のシフトを組むだけでも一苦労だ。


このシフトは、私がスタッフルームで相澤と話していて泣いた日に組んだもので、あの日泣いてしまった私は、その後の仕事が全く手につかなかった。だから、このシフトは相澤が全部組んでくれた。


「あっという間に昼になっただろ。ゆっくり休んで来いよ。今日は長いんだから。」


相澤は労いの言葉をかけてくれた。
でも、これは『私』に向けての言葉じゃない。『副店長』に『店長』がかけた言葉だ。


その様子は他の人から見たら普通に見えるのかもしれないけれど……あえて言葉に感情を挟まないようにしているのが私には分かってしまって、切なかった。


「はい。お言葉に甘えて休ませてもらいますね。」私が笑顔でそう答えても、相澤の顔には笑顔は無かった。
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