アイザワさんとアイザワさん
④12月24日→25日のハナシ。
「ところで……シフトはどうなってるんだ?」
いつから気になっていたんだろう……相澤が唐突に聞いてきた。私はその言葉を聞いて抱き締められた腕の中でギクリとした。
「おい、黙るなよ。」
……仕方ない。白状しなくては。
「……明日は……ふたりで朝日勤ですよ。」
「柏谷さんは休みか?」
「はい。」
相澤はしばらく考えこんで……
「ちょっと待て、計算合わなくないか?」と聞いてきた。
……うっ、もう気づかれた。
実は、私達社員には規定の労働時間がある。
茜さんや唯ちゃん達、パートスタッフさん達には契約の時に決めた労働時間を守ってシフトを組まなければいけない。
動揺している私の横でため息が聞こえた。
「何の為に話し合って今日のシフト組んだと思ってんだよ…」
はい、すいません。私の無計画(でしかも雑。)な計画でシフトは若干……いや……だいぶめちゃくちゃになってます。
ほんとうは明日一緒にシフトに入った時に気づかれて、お叱りを受けるはずだったのに……。
ほんと、頭の回転の早い人だなぁ……。
「ほんと、バカだなお前は。」
さっきまであんなに私のことを好きだと言っていたその口から、久しぶりに『バカ』という単語が出てきた。