アイザワさんとアイザワさん
「ま、明日のことは今夜一晩かけてゆっくり考えるか。な?」
相澤はにっこりと笑って、私の手をしっかりと握って手を繋いだ。
……今の状況で、その綺麗な笑顔は破壊力がありすぎる。
さっきまでの勢いはどこかへ行ってしまっていて、今現在……私は相澤の言葉やしぐさに完全に翻弄されていた。
そう。私のゴールは『告白すること』までだったのだ。
……これからどうする?どうなる?ってことは頭の中からすっぽりと抜け落ちてしまっていた。いや、最初から考えてもいなかった……
私は、ほんとに無計画で雑な女だと思う。
「……お前、大丈夫か?顔真っ赤だぞ。」
こんな薄暗いところでも分かるんだから、相当赤いんだろう。
動揺して、恥ずかしくて、まともに相澤の顔を見ることができなかった。