アイザワさんとアイザワさん

知られてしまったついでにと、私は相澤オーナーから呼び出された日のことも全て相澤に話した。


瞬先生とドライブしたと聞いてちょっとムッとしていた相澤だったけど、最後には息を吐きながら、「殴られなくてよかったよ……」と言っていた。


「今朝事務所に行ったら叔父さんがいてさ、『どこ行ってたんだ』って聞かれたけど、急いでるふりして何も言わないで出たんだ。……でもたぶんばれたと思う。」


どうやら、相澤オーナーにばれたら、すぐに大先生のところに話が伝わってしまうらしかった。


相澤は、こんなに真面目で優しい人なのに何故か二人には信用されていないらしく……


「何か聞かれるのは、時間の問題」らしい。


「大丈夫ですよ。」と私は答えた。


「お互いに好きでちゃんと付き合ってますって説明すればいいですよね。なんの問題もないじゃないですか。ずっと一緒にいれば『信用』してもらえます。ちゃんと伝わりますよ。」


「いろいろ聞かれると思うぞ。」


「もう今日で恥ずかしいのには慣れました。何でもアリです。オッケーです。」


「そっか。頼もしいな。」


私達はおばあちゃんにまた二人で来るね、と約束してお墓を後にした。
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