アイザワさんとアイザワさん
「そっか…昨日だけじゃなくて、一昨日も見てたんだ。不安になるのも無理ないか。……まさか、俺も見られてるなんて思わなかったし、ばったり会うなんて思わなかったからな。」
ごめんな、と言いながら相澤はカバンから白い小箱を取り出すと、私の手のひらにポンと置いた。
「……何ですか、これ?」
「開けてみて。」
そう言われて、ピンクのリボンがかかった小さなそれに手をかけた。リボンを解いてそっと蓋を開ける。中にはネックレスが入っていた。
ネックレスは、ゴールドのチェーンに花の形をしたチャームが付いているシンプルなもので、花の中心には黄色い石が入っていた。
驚いて相澤を見上げると、「誕生日の日には何もあげられなかったし……それに、今までの誕生日は辛いことばっかり思いだしてたんじゃないかと思って。何か喜んでもらえるようなものを渡したかったんだ。」
そう言った後で、まさかこんな事になるなんてなぁ……と相澤はため息をついた。
確かに……それは分かったし、凄く嬉しいけど……これとあの女(ひと)と何の関係があるの……?
私が考えていることが伝わったらしい。
「……選ぶのを手伝ってもらったんだよ。一人であーいう店に入んのも無理だしな。」