アイザワさんとアイザワさん
「やっぱり、あなた達って仲良いのか何なのか分からないわね。」
茜さんが笑いながら言う。
「まぁ…でも、こんな感じですけどお互いのことは大切に思ってますよ。」
私も笑いながら言葉を返す。
「で…初花ちゃんは、いつ『相澤』さんになるの?」
次に樹さんが夜勤明けで、私の休みが重なる週末に、私の両親と樹さんのお母さんに結婚の報告をする予定だ。
入籍や式は、お互いの新しい生活が落ち着いてからにしようと話し合っている。
今は二人で新しく住む家を探しているのだけど、樹さんは今も暮らしている持ち家があるし、私も一人っ子で実家があるし、これもすぐには決まらないだろう。
だから、私もしばらくは、今まで通り。
まだまだ『相沢 初花』のままだ。
「まず茜さんが試験に合格してくれることが『相澤さん』への第一歩なんで、頑張ってもらわないと困ります。」
そうニヤリと笑いながら言うと、「初花ちゃんと店長のしあわせがかかってるなら、頑張らないといけないわねー。」と同じくニヤリと笑いながらも、優しい言葉を返してくれた。