アイザワさんとアイザワさん
「だから、鞠枝ちゃんには僕が必要なの。僕は君のことをしあわせにしたい。これは誰にも譲れない。…それに、鞠枝ちゃんがしあわせになったら相沢さんも嬉しいんじゃないのかなぁ?」
「しあわせって、伝わって広がっていくものなんだよ。だから、鞠枝ちゃんがしあわせになったらそのしあわせは相沢さんにもきっと繋がっていくはずだよ。相沢さんの心を理解して、そして、しあわせにしてくれる人はきっとどこかにいる。だから、鞠枝ちゃんは僕と結婚して、『ほら、こんなにしあわせだよ』って相沢さんに見せつけちゃえばいいの。」
かなり強引な考えだけどなんだか勢いに押されてそんなもんかも、って思ってしまった。
私の彼はちょっとズレてて、いちいち残念なくせに、なぜか最後は『ま、いっか。』と不思議に納得させられてしまう。
変な人に好かれちゃったな。
でも…こんな変な人と結婚してあげられるのは、私だけかもしれないよね。
『ま、いっか。』そう思っちゃった時点で私の負けなんだわ、きっと。
「イエスですか?ノーですか?」
相変わらずにこにこしながら、善ちゃんが返事を求めてくる。
返事はもちろん…
「イエスだよ!…善ちゃん、大好き!!」
そう言いながら、私は彼の胸に飛び込んだ。