アイザワさんとアイザワさん

「相澤さんなら、手作りじゃなくても喜んでくれるって。」

愛されてるもんねぇー。そう言いながら鞠枝さんは私の胸元を指差した。


私の胸元には樹さんからもらった花のチャームの付いたネックレスが光っている。


「それだって誕生日過ぎてから貰ったんでしょ?バレンタインデーだからって『手作り』とか、『チョコ』とかにこだわらなくていいんじゃない?気持ちの問題でしょ。」


「そうですね…」


「そろそろ善ちゃんが玲の面倒見るの限界だと思うから私は帰るわよ。」

そう言って鞠枝さんが帰ってからも、私はカフェラテを口にしながらあれこれと考えていた。


ネックレスを貰った時は嬉しかったけど…裕美さんとのことが気になっていてあんまり嬉しい気持ちを伝えられなかったもんな…


私も何か樹さんに喜んでもらえるものをあげたいな…


…あ、そうだ。思いついた!


これなら喜んでもらえるかもしれない。

私は逸る気持ちを押さえつつ、ある場所へと向かった。

『Milky way』のチョコケーキも、忘れずにしっかりと予約をした。…準備は万端だ。
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