拒否恋
てか、あの子も簡単に諦めないで、しぶとく交際を申し込んどけば、コイツも気が変わって、
『やっぱ、俺、お前と付き合うふりやめるわ』
とか言うかもしれないのに。
なんてね。
湊がいるおかげで、私は厄介な告白もあまり受けずに済んでいるから、取られても困るか!
「べ、別に?」
湊がどんな顔をしてるかなんて、知らない。
でも、湊がどんな奴なのかは知ってる。
ギュッと湊が手を握る。
びくりと跳ね上がる鼓動。
これから、私たちはどうなるのだろうか…
少しづつ緊張がほぐれて行く中、私は湊を見上げる。
きっと、これからもっと大変なことが起こるかもしれない。
でも、なんだか湊となら乗り越えられるような気がする。
私はそっとその手を握り返した。
そして私たちは、校舎に向かって歩き出した。