拒否恋
田城とわたしは、声のした方へ向く。
そこには、一本の木…の上に、美少年がいた。
「邪魔をするなぁ!あと少しで、あと少しで、細田さんとキスできたのに。」
背筋が凍る勢いだった。
こいつ、それが目的だったのか?
「キスって言うのはな、好き同士がするもんなんだ、わかるか?無理矢理は、ただのセクハラだ。」
淡々と言う美少年は、木から降りると、ズカズカと田城の目の前へ来る。
「散れ。」
冷たい目つきで田城を睨むと、田城は怯えた表情で逃げて行った。
ホッ
私は、ベタっとその場に座り込んだ。
何故か、全身の力が入らない。