君に溺れていいですか?
<ハルside>
遅くないかな、茉莉。

…どうやら新入生代表の言葉は特進コース、普通コースから、
各1名ずつだったようで、偶然トップで合格したのが僕で急だが代表者になった。
驚くだろうな・・・。


「遅れてすみませんっ!・・・ってハル!?何でここに?」


「各1名ずつって言ってたじゃん。もしかして、聞いてなかったの?」


「えっ!も、もちろん知ってた…よ」


「へぇ~、だったらすごいね」


「えっ?」


「うそだもん」


「なっ!…もぉー、ハルのバカっ!」


やっぱり面白いな、茉莉は。
恥ずかしくなると顔が赤くなるんじゃなくて、耳だけが赤くなるのも
きっと僕だけが知ってるんだろうな。茉莉は鈍いからね。


「揃いましたか?」


「はい」


「じゃあ、リハーサルを行います」

               ・
               ・
               ・
「それでは、晴君は左の入り口に、茉莉さんは右の入り口に行って
各自、自分のクラスに行ってください」


「はい」


「じゃあね」


「うん、またね」


手を振ってから、左の入り口に小走りで向かう。

茉莉は、友達ができたのだろうか?
体調は大丈夫なのか?
代表の言葉を間違ったりしないか?

今更、いろんな疑問が浮かんでくる。
右の入り口の方を見るが、そこに茉莉の姿はなかった。
…聞いとけばよかった。僕はとても後悔した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「おかえり、ハル」


そう言ったのは、新しく友達になった隼人だった。


「ただいま(?)」


「そういえばさー、聞いてよ」


「なに?」


「今日友達から聞いたんだけど、普通コースの1-Ⅽにめっちゃ可愛い子いるんだって」


普通コースの1のⅭって、嫌な予感しかしないな。


「…どんな子?」


「ポニーテールでとにかく可愛いらしい。
もう完全に好きになった人もいるらしいし。
早く見てみたい」


「見たいって、わざわざ行くの?」


「代表の言葉を言うんだって。だから見れる。…あれ?ハルも代表の・・・」


「静かに。そろそろ始まるよ?」


「・・・そうだね」


・・・茉莉だな~。
ま、仕方ないか。覚悟はしてたし。

隼人は情報が速いのかなんなのか、たくさん持っている。しかも空気が読める。
とても良い友達だ。
なによりもう彼女がいるので安心できる。

いつか、茉莉も僕のになったらいいのにな・・・。




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