病院嫌い〈2〉
『…偉いぞ
すぐに良くしてやるから安心してね』
夏帆ちゃんの涙を人差し指で拭い微笑むと…
『直輝先生、あ…りがと…う!
やっぱり…入院不安で怖いけど…直樹先生だから頑張ろう…と思えたの……』
『やっぱり不安か……。 でも、頑張るって言ってくれてありがとう
それから、不安になったらなんでも言って。
話なら絶対に聞くから俺のことを頼って』
『……ありがとう
直輝先生が主治医でよかった……』
少しだけど、笑顔を見せてくれる夏帆ちゃん…
その笑顔をみると嬉しさがこみ上げてくる
だって俺も夏帆ちゃんが担当患者でよかったと思っているから……。
治療とかで泣いてばかりだけどそれがすごく可愛いし……俺は夏帆ちゃんのことが好きだから
でも、夏帆ちゃんが俺を好きになるなんてないよな……俺は医者だから……
そう思うと悲しくなったけどすぐに明るく笑って
『本当か?!
俺、嬉しい……』
…と言う
すると、またニコッと笑う夏帆ちゃん
『じゃあ、早く良くなるように今日は寝よう
眠るまでそばにいるからな。 おやすみ』
そう言い夏帆ちゃんに毛布をかける
『……おやすみ、先生
忙しいのにありがとう』
そう言うと、すぐに目を閉じてスヤスヤと寝てしまう
早く元気になってくれよ
そう思い、俺は夏帆ちゃんの顔を撫でて病室を出る