病院嫌い〈2〉


ほんの一瞬だったのに




直輝先生に抱き上げられてドキドキしてしまう





『じゃあ、胸の音聴くからボタン外してね』




聴診器を首から下げて微笑む直輝先生の姿が見える




直輝先生の優しさは知っている




けど、聴診されるのはやっぱり怖い




それに、さっきからドクンドクンとうるさい心臓の音を先生に聴かれるのは恥ずかしいよ




『………いや』




『……大丈夫だよ。目をつぶってゆっくり深呼吸していればすぐだからね…。 』




『………うん』




ギュッと目を閉じてしばらくすると




ボタンが外されて、聴診器が当てられる




途中で怖くなったけど、先生が頭を撫でながらやってくれたから




だんだんと恐怖心がなくなってきた





『はい終わり。偉かったよ』




服のボタンを止める




『じゃあ、嫌だと思うけど、点滴外れちゃったみたいだから刺し直そうね。』




『…やっ 痛いの怖い グスン……』





あんなに痛いのやだよ……。
涙が目にたまってきた











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