病院嫌い〈2〉


そして、そのまま涙目でやりたくないことを必死に伝えているのに



全く効果はなく



針を持って近づいてくる直輝先生……




『やだ。 点滴やりたくないよ……
直輝先生……やめて 来ないで…』



 
『やりたくないのはわかるけど少し頑張ろうよ。
すぐ、終わらせるからな』




そう言い、私の腕を掴み冷たい脱脂綿で消毒してくる




ヒヤッとする冷たさが恐怖をより引き立てて、抵抗してみたけど




どんなに、抵抗しても力では全然かなわなくて




腕を全く動かせない




『……じゃあ針を刺すから、できるだけ力を抜いていてね。 』




『やだ、やめてー!! グスン グスン 』




そう言ったけどやめてくれるはずがなく




チクッと腕から痛みを感じる




『…痛ッ グスッ  もう先生なんか大嫌い!!』




本当は嫌いなんて思ってないのに…




溢れ出てしまう言葉……




ごめんね。  先生。




私のためにやってくれていることくらいわかっているのに




あんなに酷いこと言って。

   



後悔の感情ばかりが生まれてきて





涙が止まらないよ




 
『ウッ グスン ヒック……………』





『……点滴終わったよ。
もう、大丈夫だからね。』










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