病院嫌い〈2〉


酷いことを言ったのに、直輝先生はいつも通りの優しい声をかけてひとさし指で涙を拭ってくれる




直輝先生に優しくされるほど



罪悪感を感じて、 涙がさらに溢れてくる




『……ウッ ヒック ヒック ヒック…
嫌いなんて言ってごめんなさい……
本当はそんなこと思ってないよ…………』




そう言うと、直輝先生の腕が背中に回ってきて抱きしめられる。



『…よかった。
俺、夏帆ちゃんに嫌われてなくて
本当によかった。 それからごめん。 夏帆ちゃんのために無理矢理やったけどやっぱり怖かったよね…?』




ゆっくり頷くと




『ごめんね。痛かったよな
俺だって好きな人に痛い思いさせたくないんだけどな……』




えっ!!   好きな人って?!





『……どういうこと…?』





『俺、夏帆ちゃんのことずっと好きだったんだ
もちろん今でも大好き…』



『………』



いきなりの告白のせいなのか、自分でもわからないくらいドキドキしすぎて



何も言えなくなり



静かなときが流れる



そして、その沈黙を破るように先生は




『……ごめんね。 変なことを言って。
気にしないでね。』




と言う

 


気にしないでなんて言われても




ドキドキが止まらないよ……











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