病院嫌い〈2〉
夏帆 side
その日の夜中
『……ゲホッゲホッ ゴホッゴホッ…ゴホッゲホッ
ウッ ヒック 直…輝 ゲホッ ゴホッ…先生』
酷い発作に襲われて目が覚めた私は
咳が苦しくて苦しくて涙がどんどんこぼれ落ちていって
直輝先生…… 助けて…と必死に先生の名前を呼んでいる
でも…直輝先生は来なくて一人で我慢する
怖くて…心細くて……泣いているうちに過呼吸まで起こしてしまったけど
どうにか耐えないと…と思いながら時間がすぎるのを待つ
『ゲホッ ゴホッゴホッゴホッゴホッゲホッゲホッゲホッ
ハアハアゲホッ ウッゲホッ』
そうしているうちに発作はどんどん酷くなっていき
だんだんと意識がくらくらしてきて
呼吸すらもまともにできなくなり
ついにナースコールを押してしまう
だけど。
私は、ナースコールを押したことを後悔することになってしまう