病院嫌い〈2〉



『…ゴホッ ゲホッ ゲホッゴホッ ゲホッ』




『…ゆっくり深呼吸して下さいね!
もうすぐ直輝先生来ますからね』




結局直輝先生のところに連絡がいってしまった




ごめんなさい。




私が診察するときに抵抗なんかしたから




直輝先生の仕事が増えちゃったんだよね





でも、わたし




わがままかもしれないけど直輝先生が診てくれないと怖いの




咳で苦しみながらも




直輝先生のことが頭から離れないよ




『…ゲホッゴホッゴホッゴホッゲホッゲホッゴホッゴホッゲ』




咳き込んでいると




『すみません、遅くなりました
あとは俺に任せて下さい』




と聞きなれた声が聞こえてくる





『はい、わかりました!』




さっきまでいっしょにいてくれた看護師さんは出ていった




『夏帆ちゃんっ 俺だよ 大丈夫……?』




苦しくて、浅い息をしていると




心配そうにわたしを見つめる直輝先生







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