病院嫌い〈2〉
『…グスッ グスッ ヒック
ハアハアハアハア……ゴホッ…ゴホッ』
『ほらほら。 もう怖くないから泣かないでね
余計に苦しくなっちゃうから』
そう言い、私を優しくつつみこんで背中をさすってくれる
直輝先生の優しく温かい体温を感じて
何度も、涙がこぼれ落ちる
こんなに優しくされると涙が止まらないよ
『グスッ…ヒック 私…グスッヒック 迷惑ばかり
かけて…ゲホッ ご、ごめんなさい…ウッ』
『…何言っているの…?
俺が迷惑だなんて思っているわけないじゃん
俺のことを信じて?』
私のこころに寄り添ってくれる直輝先生
誰よりも大好きだよ
と伝えたいけど
『……ゲホッ ゲホッゴホッゴホッゲホッゲホッ』
止まらない咳がじゃまをする
『夏帆ちゃん、聴診器当てるけど大丈夫だからね』
直輝先生の声は不思議で
苦しいはずなのになぜか安心させてくれる
聴診だって、嫌だけど
直輝先生だから怖くない…と思える