病院嫌い〈2〉



『…ごめんね。 服めくるね』



服に手をかけられて聴診器が入ってきたけど、咳が止まらなくて深呼吸なんてできないよ




『……ハアハアハアハア ゲホッ ゲホッ』




咳で苦しんでいる間に聴診器をいろんなところに当てられる



『終わったよ。 
夏帆ちゃん、発作苦しいよね…?
今から、注射して発作止めの薬入れるから
頑張ろう。 』



注射怖いよ……




だけど、私のことを考えてくれているんだよね…?





だったら私も頑張らないと…




咳を我慢しながら



直輝先生に腕を出すと先生は優しい笑顔を向けて




私の腕を持った




『…じゃあ、消毒するから少し冷たいよ』



先生はひんやりとした脱脂綿で私の腕を消毒して注射器を持つ




大丈夫 大丈夫って自分に何度も言い聞かせているけど怖すぎて




溢れ出る涙




『チクッ…として痛いけど
すぐ終わるからね。』




チクッ




『……ウッ』



…痛い



 
少しの時間なのにすごく長く感じてただただ涙を流しながら耐える





そして、針が抜かれると抱きしめられ

 


『…注射終わったよ。
よく頑張ったな
これで少し楽になるからな』




優しい言葉をかけてくれる 
   



『……ありがとう ゴホッ ゴホッ』




『無理して喋ると辛いから
話さなくても大丈夫だよ
しばらくこのままじっとしていて』



抱きしめられて




直輝先生の胸の中に入れられてしまう





そのまま静かに時間が過ぎていきだんだんと発作をが収まっていく











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