病院嫌い〈2〉
夏帆 side
──三日後
いつもように回診にきている直輝先生
『じゃあ、聴診するよ…
大丈夫だから、ゆっくり深呼吸だよ』
ニコッと微笑んでくれる直輝先生
やっぱり、何回診察をしても聴診器が怖くて
さっきまで背中がピクッ…と震えていたけど
直輝先生の柔らかい笑顔を見ていると自然に落ち着いてくる
この三日間も不安だったけど
直輝先生が治療してくれたから
頑張れた
『はい、終わったよ!
呼吸の音も大分分よくなってきたし
今日、退院する…?』
『退院?! やったー!!』
『…嬉しそうだな
俺の休みがとれたらデートいこうな』
『うんっ! 楽しみにしてるね!!』
『じゃあ、春樹先生待っているから車のところまでいっしょに行こう』
そう言って私の荷物を持ってくれる直輝先生
『…ありがとう。
でも、軽いから自分で持つよ』
『俺は大丈夫だから
それに、大好きな夏帆に荷物なんか
持たせられるわけないだろ』
直輝先生が言葉が嬉しすぎて
熱がないのに顔が熱くなる
直輝先生は私をドキドキさせる天才だよ……