病院嫌い〈2〉
『わぁ! キレイ』
通学路の桜並木はピンクの花で染まっていて
ヒラヒラ舞い落ちる花びらを手にのせる
でも、そんな平和な時間は長くは続かず……
歩いているとだんだん苦しくなる呼吸…
……苦しいよ
『……ゴホッ ゴホッゴホッゴホッゴホッ……』
1度咳が出ると、糸が切れたように次から次へと出る咳……
それと同時に痛くなる心臓……
呼吸ができないよ……
こんなに酷い発作は初めてで
……怖くて怖くて身体が震える
なんで心臓まで痛くなるの…?
今まで発作で心臓が痛くなったことなんてないのに…………
やだよ…。
こんなとこで倒れたら死んじゃうよ
まだ、死にたくなんかないのに
『……グスン ゴホッゴホッ ゲホッ……………』
そう思っているのに身体がいうことを聞かなくて
意識がどんどん遠くなり
足に力が入らなくなって
身体がふらついてきて
花びらでピンクに染まった地面に倒れこんだまま目の前がまっくらになる