病院嫌い〈2〉
『夏帆、ありがとう
手術している間は眠っていて
全然痛くないから不安にならなくて大丈夫だよ』
顔を撫でながらそう言ってくれた。
じんわりと手の温かさが伝わってきて
だんだん不安が和らいで、自然と笑顔になれた
すると、私のその様子を見ながら
直輝先生は
『じゃあ、病室に戻ろうか』
と言って私をお姫様だっこして病室まで
連れて行ってくれた
そして病室に戻ると
私の顔を見て
『夏帆、手術が終わったら
たくさん楽しいことがあるからな
それに……終わったらどうしても
夏帆に伝えたいことあるし……』
どうしても伝えたいことって何だろう?
私は思ったことをそのまま口に出していた
『伝えたいことって何?』
『それは今は内緒…
でも、すごく大切なことだから』
直輝先生は少しだけ頬をピンクに
染めながら言う
本当何だろう?
すごく気になる……
先生とそんな話をしている間に
手術の恐怖のことなど完全に忘れてしまって
いつの間にか眠ってしまった。