病院嫌い〈2〉
でも、聴診やだ……
『………………………………………』
『…彩夏、じゃあ、俺の膝の上においで。 何も怖くないからな。』
そう言って春樹は私の後ろにまわり膝の上にのせて優しく包み込むように抱きしめた。
『……じゃあ、服を少しあげるからな』
『……い……や』
そう言ったけど服をあげられてそのすきまから聴診器を入れられた。
『ゆっくり深呼吸だよ。 吸って 吐いて 吸って………』
『スーハ……スーハ …………』
『はい、 いいよ。 少し音が悪いし熱があるから今日は寝て、明日病院にいこうか』
『……病院、いや 怖い 昨日も行ったばかりじゃん』
『……でも、熱が出てきちゃったからな
病院嫌いなのはよくわかるけど頑張ろう。
酷くなると入院になっちゃうし………』
『…………………………うん』
病院行きたくないけどこれ以上酷くなって入院になるのだけは嫌だ。
『えらいぞ。 怖くないからな。
今日は寝よう』
『…うん』
ベッドに入ると春樹はぎゅっと抱き締めてくれた。
『…おやすみ』
『おやすみ。 ずっといっしょにいるから大丈夫だよ』
春樹の体温に安心してすぐに眠りについた。