病院嫌い〈2〉



 
『……彩夏、リラックスして
怖くないよ』










待ち合い室まできたのはいいけど、彩夏がさっきから震えている











ここは産婦人科だから俺が彩夏のことを診れない











最近ずっと、俺の診察しか受けてないからな……
やっぱり、知らない先生なんて不安だよな……















少しでも安心させるために彩夏を優しく撫でて『俺もいっしょに診察室に入るから大丈夫だよ』と声をかける。













けど、彩夏の問診票を書く手は震えたままで………………普段の彩夏の字じゃないみたい………












『春樹………問診票……書けた』












問診票を彩夏から受けとって受付の人に渡す。














そして、しばらく震えた手をギュッと握っていると………











『山口 彩夏さん 診察室に入って下さい』










『彩夏、行くよ』











涙目の彩夏をそっと引っ張って診察室に入る










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