病院嫌い〈2〉
『………ただいま』
『………………………』
あれ、いつもなら俺が帰ってきたら、子犬のように喜んで来てくれるのに……
まだ、8時だから寝るのには早いし……
『……彩夏!!』
違和感を感じて名前を呼んで部屋に入ると……苦しそうに浅い呼吸を繰り返している彩夏
『……大丈夫か』
『……ごめん 大丈夫』
そう言いながらも、彩夏の目からは涙が出そう
『……彩夏、よしよし おいで、本当は辛かったんだろ』
抱きしめると、肩を震わせて泣く彩夏
『……春樹、寂しかった
一人で心細かったよ………ずっと待っていた』
弱々しい声でそう言う
『……寂しかったよな、本当にごめん
じゃあ、辛そうだから心音だけ聞かせて』
鞄に入っている聴診器を取りに行こうとすると………
『………春樹、………行…かな…い…で』
呼吸が乱れて辛そうに喋る