病院嫌い〈2〉
『……すぐ戻るからね』
『……やっ いっしょがいい 』
ウルウルした目で俺を見つめてくるから、おいていけなくなった
寂しい思いをさせて精神的に不安定な彩夏にとっては聴診器を取りに行く数秒単位の時間でも、長く感じるのであろう
『彩夏、じゃあ抱っこ……』
彩夏の膝下に手を入れる
そして彩夏を抱えながら聴診器を取りに行って、またリビングに戻る
『……春樹、ありがと……』
ソファに降ろすとニッコリ笑ってそう言う
『…ああ じゃあ、ボタンを外すからな 』
彩夏が怖がらないように微笑んでからボタンにてをかけたけど、彩夏に腕を掴まれる
『…………やだ』