病院嫌い〈2〉
『彩夏、音が悪いから薬飲もうか』
『でも、私、妊娠しているから薬飲めないよ…』
『大丈夫 この薬は赤ちゃんへの悪影響はないから
安心して』
こんなこともあるかと思って、前に新木先生に飲んでも大丈夫な薬を聞いといた
『ほら、彩夏、あーんして』
ゆっくり口を開ける彩夏に薬を入れ、水を流しこんだ
『………彩夏、飲み込めた…?』
『……うん』
『……偉いぞ』
そう言って顔を撫でると嬉しそうに微笑む彩夏
『彩夏……嬉しそう』
『だって、嬉しいもん
春樹がそばにいてくれるから』
『その言葉に照れるからやめろ』
『いいじゃん、真っ赤になった春樹なんか可愛いもん』
俺は、男だぞ…と思いながらも、彩夏が笑顔になってくれたからまあ良いか……と思う
『…彩夏もな』
そう言って彩夏の前髪をかき分ける