病院嫌い〈2〉
『彩夏……すぐに終わるから大丈夫だよ。
こっちにおいで……』
春樹は手招きしてくる。
でも、採血が怖くて春樹のほうにいけない。
『……嫌 ヒック ヒック 怖い ………』
『……大丈夫、大丈夫 ほらっ……』
そう言って私の手を引っ張った。
『彩夏、頑張ろう 手を出して』
春樹は優しく頭を撫でながらそう言う。
『怖い。 いたいのやだ ヒック ヒック』
『怖いのわかるけど頑張ろうよ』
そう言って私の手を抑えた。
『…彩夏、すぐだからね』
その声が聞こえた瞬間に針を刺された。
『嫌ー 痛い やめて グスッ グスッ』
号泣してしまった。