病院嫌い〈2〉
『夏帆ちゃん、よく頑張ったね!
偉かったぞ!! じゃあ次は喉を診るね』
私の顔を大きくて温かい手で撫でながら、ペンライトと銀のアイスのバーみたいなものを手に取る
『怖ぃょ……それ……く…るし…ぃ し… ウッ ヒック』
喉が痛いせいか、かすれて聞こえるか聞こえないかくらいの小さい声だったけど、直輝先生はちゃんと聞き取っていてくれたみたいで…
『これ、嫌だよね
でも、そんなに苦しくなるまで奥に入れないから、少しだけ口を開けてね。 ほらっ、あーん』
直輝先生が優しくて絶対に嘘はつかないことはわかっているけど、やっぱり怖くてほんの少ししか口を開けなかった
でも、先生は
『自分から口を開けられて偉かったね!
でも、今からあと少しだけ口を開くからな』
優しい言葉で褒めてくれる
そして
『ちょっと、ごめん……』
そう呟いてアイスのバーみたいなものを入れてペンライトで覗く
私が苦しくならないようにとても優しく……
『はい、終わり
よく頑張ったな!
じゃあ、あとひとつも頑張ろうか』
『何を…頑張るの…?』
恐る恐る聞いてみる
『喉が大分腫れていたし、熱が高いみたいだから点滴頑張ろう。 痛いけどすぐだからな』
嫌な予感が当たって、涙が目にたまって視界が曇り先生の顔がぼやけて見える
『痛いのやだ……ウッ グスン』