SoLain


みんなが部屋に行き、近藤さんの部屋にはこの部屋の主である近藤さんと、副長の土方さん、そして私が残った。


未「あの…話って…?」

おおよそ、性別のことだと思った。
『申し訳ないが、男装してくれないか?』とでも言われるのだと思っていた。


近「あぁ、そのだな、未夢羽さんは料理はできたりするかな?」


私の思ってることと全然違うことを言われ、拍子抜けだ。
そして、料理暗い誰でも作れるのではないかと思いながらも、控えめに『作れます』とだけ答えた。

土「そりゃあよかった。頼みがあるんだが、聞いてくれねぇか?」

頼み。
ここまで来たら私にもわかる。

未「食事係ってことですか?」

その予想は当たっていたみたいで、土方さんは『そうだ。』と言った。
そして土方さんは、

土「未夢羽には悪いんだが…その、俺らの中にゃまともな料理ができるやつが少なくてな。頼めるか?」

そんな事情があるって知ったら断れないよね…。

未「私でよければ食事係、承ります。」

近「おぉ!そうかそうか!よかった!ありがとう!」

近藤さんがたくさん感謝してくれた。
その言葉を噛みしめながら、『ほかに話はないですか?』と尋ねた。


土「おめぇ、本当に隊士でいいのか?」

え?隊士でいいのかってなに…?

土「女中っていう手もあるんだぜ?掃除洗濯、料理。それができりゃ問題ねえ。だがな、隊士になるっつーことは、”人を斬る”ことだってあるんだ。”人を斬る”すなわち”人を殺す”ことだってあるんだ。」


















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