SoLain
『女のお前に耐えられるか?』
土方さんの問いかけは、すごく重たくて考えないようにしていたことだった。
『人を斬る』『人を殺す』
この幕末より平和な世で生まれ、生きてきた私たちにとって『死』というものは”近くて遠いもの”のように思えていた。
だけどこの動乱の幕末は違う。
私が大好き大好き言ってるこの新撰組だって、たくさんの人を殺して来たし、これから新撰組が大きくなっていくのにもたくさんの犠牲が伴う。
そして何より、隊士になったら戦わなくてはならない。
女中でいるより、『死』に近づく。
”近くて遠いもの”が”すぐ近くのもの”になってしまう。
未「私は…」
私に今ある選択肢。
それは
『女中になって屯所や安全なところで戦いにいったみんなの帰りを待つ』
もしくは、
『隊士になって、死のすぐ近くであろうとみんなのそばで共に戦う』
この2つだ。
あぁ、それなら答えは1つしかないじゃん。
私は、みんなが戦って危険な目にあっている中、私だけ安全な場所にいて帰りを待つなんてできない。
平常心を保ったままみんなの帰りを待つことなんてできっこないんだ。