【短編】好き、です。
息をするのも辛くなったころ、先輩の唇が離れた。
「ハッ…ハァ…」
「ごめん、嫌だった…?」
荒い息を繰り返す私に先輩が何う。
…ずるい。先輩はずるい。
私が嫌だなんて言わないこと分かってるのに。
「…いえ」
むくれて答えると、先輩は可笑しそうに笑った。
「ほんと、可愛いすぎ」
優しい声でそう呟くと、再び唇が重なる。
愛おしむようなキス。
私はこの日、愛情と感情を再び知ったのだった。
ーーEND.