理屈抜きの恋
「そうでした!その後が強烈過ぎて伝え忘れていましたが、あの時は本当にありがとうございました。」
「あの時、座り込んでいたのは結局、足が痛かったからと、最上のキスシーンのせいだったんだよな?」
ずっと気になっていた。
俺のせいで、最上の告白そのものに返事をしていないだろうし、そもそも彼女が最上をどう想っているのかも分からず仕舞い。
「君は最上の事、好きなのか?」
「はい。」
そうか。
盗み聞きとはいえ、最上の先輩とのキスの話は、彼女が床で座り込んでいた姿にすぐリンクした。
あの時彼女は関係ないと言っていたけど、それは嘘だったんだな。
それにしても、はっきり言われると傷付くものだ。
思っている以上に。
「でも…」
でも?
彼女の答えを待っていると、手紙を綺麗に折り畳んだ彼女が机の上から降りた。
「最上くんには断りました。」
「どうして?」
「それは…」