理屈抜きの恋
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朝一で鵠沼さんの会社に行き、鵠沼さんの秘書に書類を渡してこい、と言われた時、根拠はないけど直感的に何か変だな、と思った。
だから「急ぎの書類ですか?」と聞いたのだけど、答えはノー。
さらには「午後出社で構わない。」とまで言われた。
その日は確かに特別な要件はなかったけど、仕事ならいくらでもある。
それなのにどうして私が書類を届けなくてはならないのか、その理由が知りたかったのだけど、秘書である私にはそれを知る権利はない。
上司の命令に従うだけ。
でも一度気になったものはどうやっても気になってしまう。
鵠沼さんの会社までの道中、頭の中は副社長のことでいっぱいだった。
副社長から好きだと言われてからは、それに安心して公私混同しないように出来ていたのに。
電車からバスに乗り換えるために停留所で待つ間もずっと副社長のことを考えていた。
そんな時、停留所に派手なオープンカーが停まった。
こんな場所に車を停めるなんて非常識な人だな、と思って見ていると、サングラスを掛けた運転手はドアを開け、降りてきた。
だから「急ぎの書類ですか?」と聞いたのだけど、答えはノー。
さらには「午後出社で構わない。」とまで言われた。
その日は確かに特別な要件はなかったけど、仕事ならいくらでもある。
それなのにどうして私が書類を届けなくてはならないのか、その理由が知りたかったのだけど、秘書である私にはそれを知る権利はない。
上司の命令に従うだけ。
でも一度気になったものはどうやっても気になってしまう。
鵠沼さんの会社までの道中、頭の中は副社長のことでいっぱいだった。
副社長から好きだと言われてからは、それに安心して公私混同しないように出来ていたのに。
電車からバスに乗り換えるために停留所で待つ間もずっと副社長のことを考えていた。
そんな時、停留所に派手なオープンカーが停まった。
こんな場所に車を停めるなんて非常識な人だな、と思って見ていると、サングラスを掛けた運転手はドアを開け、降りてきた。