理屈抜きの恋
『最上くんのことが好きじゃないならあまり仲良くしない方がいいわよ』『あなた早く彼氏作りなさいよ』
そう言われたことが何度かあった。
あの時は何でこんなこと言われなきゃならないんだろう、って思っていたけど、最上くんの気持ちを知った今、先輩から言われていた言葉の意味が理解できる。
「本当に最上くんのこと好きなんだね。」
「それはありがたいと思うよ。でも、俺が好きなのは撫子だ。初めて会った時からずっと好きだった。撫子が恋愛をする気になるまで待とうって思っていたけど、もう待つのは止めた。他の男になんて渡さない。」
「他の男?」
「俺、昨日、撫子のことを探している時、偶然見ちゃったんだよ。男に横抱きにされている姿。」
「え?!」
まさかあのお姫様抱っこを見られていたなんて。
周りに知り合いがいないかどうか混乱しながらも注意深く見ていたつもりだったのに。
死角があったのか、本宮涼しか見えていなかったのか、どちらにしてもものすごく恥ずかしい。
「そんな風に赤くなるんだな。」
ずっと握られたままの手がギュッと力強く握られた。
そのあまりの力の強さに思わず「痛っ」と言うと「ごめん。」と謝られた。
そう言われたことが何度かあった。
あの時は何でこんなこと言われなきゃならないんだろう、って思っていたけど、最上くんの気持ちを知った今、先輩から言われていた言葉の意味が理解できる。
「本当に最上くんのこと好きなんだね。」
「それはありがたいと思うよ。でも、俺が好きなのは撫子だ。初めて会った時からずっと好きだった。撫子が恋愛をする気になるまで待とうって思っていたけど、もう待つのは止めた。他の男になんて渡さない。」
「他の男?」
「俺、昨日、撫子のことを探している時、偶然見ちゃったんだよ。男に横抱きにされている姿。」
「え?!」
まさかあのお姫様抱っこを見られていたなんて。
周りに知り合いがいないかどうか混乱しながらも注意深く見ていたつもりだったのに。
死角があったのか、本宮涼しか見えていなかったのか、どちらにしてもものすごく恥ずかしい。
「そんな風に赤くなるんだな。」
ずっと握られたままの手がギュッと力強く握られた。
そのあまりの力の強さに思わず「痛っ」と言うと「ごめん。」と謝られた。