理屈抜きの恋
「嘘ではないよ。同伴者が必要なのは確か。」
「だってさっき…」
「でもそれは既婚者に限って、だよ。夫婦同伴ってやつ。」
「やっぱり。嘘じゃないですか!」
副社長の正面に周り答えを聞こうとするも、プイと横を向いて無視された。
その仕草にイラっとして拳を握ると、それに気が付いた鵠沼さんが少しだけ笑ってからまた代わりに答えてくれた。
「女除け。そうだろ?涼。」
鵠沼さんと一緒に副社長の方を見ると、まだ横を向いたままだけど、否定しないその様子で女除けが正解らしい。
「コイツ、この容姿でしょ?学生の頃からスゲーモテるの。そりゃもう嫌味な位。でも、それをコイツは喜ばないんだよ。むしろ『鳥肌立つ』とか言って逃げ回っていた。」
そういえば社内でも明らかに色目を使ってくる女性社員に対してそれはそれは冷たい態度を取っている。
その後をフォローする身にもなってくれ、って思っていたけど、ずっとそんな風に意識されていたら嫌になるかもしれない。
車内で女性の話しをした時、特定の女性はいないと言っていたけど、それもやっぱり嘘ではないのかも。
「疑ってすみません。容姿が良いと大変なんですね。」
「だってさっき…」
「でもそれは既婚者に限って、だよ。夫婦同伴ってやつ。」
「やっぱり。嘘じゃないですか!」
副社長の正面に周り答えを聞こうとするも、プイと横を向いて無視された。
その仕草にイラっとして拳を握ると、それに気が付いた鵠沼さんが少しだけ笑ってからまた代わりに答えてくれた。
「女除け。そうだろ?涼。」
鵠沼さんと一緒に副社長の方を見ると、まだ横を向いたままだけど、否定しないその様子で女除けが正解らしい。
「コイツ、この容姿でしょ?学生の頃からスゲーモテるの。そりゃもう嫌味な位。でも、それをコイツは喜ばないんだよ。むしろ『鳥肌立つ』とか言って逃げ回っていた。」
そういえば社内でも明らかに色目を使ってくる女性社員に対してそれはそれは冷たい態度を取っている。
その後をフォローする身にもなってくれ、って思っていたけど、ずっとそんな風に意識されていたら嫌になるかもしれない。
車内で女性の話しをした時、特定の女性はいないと言っていたけど、それもやっぱり嘘ではないのかも。
「疑ってすみません。容姿が良いと大変なんですね。」