「この顔見るのは“俺”限定」
うぅ……ほんと、情けない。
「繭~。
あたし。
やっぱり、汐見廉のことが好きだよ~。
だから、もっとがんばりたいよ~。
だから、次の〝作戦”考えて~」
放課後の屋上。
いつもの作戦本部で繭に頼む。
「ありさ、アンタ……。
ちょっと変わってない?
普通、ソコ、怒るところ」
今朝の話を聞いた繭は、ムッとしたように唇を尖らせた。
「女の子の髪型をそこまで笑うなんて。
あたしだったら、ぜーったいに、許せないんですけど!」