「この顔見るのは“俺”限定」
はじめて見る黒繭が怖くて、目をそらす。
すると繭は、あたしの耳たぶを引っ張りながら、顔を寄せた。
「いい?
ありさ」
声と一緒に、黒い空気まで耳に流れ込んできた。
「月曜日の体育の持久走。
絶対絶対、転んでね」
……って。
「はぁ!?
なんでっ!?
あたし、そんなことできないよっ!」
耳たぶを引っ張られていることも忘れてのけぞった。
すると繭は、あたしの耳たぶを引っ張りながら、顔を寄せた。
「いい?
ありさ」
声と一緒に、黒い空気まで耳に流れ込んできた。
「月曜日の体育の持久走。
絶対絶対、転んでね」
……って。
「はぁ!?
なんでっ!?
あたし、そんなことできないよっ!」
耳たぶを引っ張られていることも忘れてのけぞった。