「この顔見るのは“俺”限定」
……っていうか、そもそも、そんな演技力はありません。



それに……。



「そんなことして。
どんなメリットがあたしにあるの?
それが、汐見廉と、なんの関係があるの?」



あるなら、聞きたいくらいだよ。



繭を見つめて、返事を待つ。



すると繭は、ニターッと笑って、こう言った。



「メリットも、関係も、大アリだよ」



「……ん?」



「まぁ、確かに。
ありさ、背ぇ高いけど。
それでも、アイツの方が、断然高い」



「……う、うん……?」
< 121 / 328 >

この作品をシェア

pagetop