「この顔見るのは“俺”限定」
それを見て、繭はニタッと笑い、あたしの肩にポンと軽く手を乗せた。



「汐見廉……。
オトしたいでしょ?」



「……オトしたいです」



「じゃあ、あたしの言うこと、ちゃんと聞いてね?」



「…………」



「髪の毛も。
いつもの体育の授業みたいに、ギュッと気合い入れて結ぶんじゃなくて」



「…………」



「おくれ毛つきの、ふんわりお団子ヘアーにしてね」



「…………」


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