「この顔見るのは“俺”限定」
「なっげぇトイレっ」



トイレの横、壁に寄りかかる汐見廉の姿があった。



「…な…なによ。
…こんなところ…で。
あんた、もしかして、ストーカー?」



憎まれ口をききつつも、今のあたしに、いつものような切れ味なんかない。



なんで、こんなところに汐見廉がいるんだろう?って、動揺するだけ。



そんなあたしをフッと笑って、



「べーつに」



と、超生意気そうな顔をして、汐見廉は体を起こした。
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