「この顔見るのは“俺”限定」
急いで汐見廉の胸を押す。



「……っ。
も、もぉっ!
気軽に触んないでよ!
それに、なにっ!?
〝俺“限定の顔……って。
わけわかんないっ!」



自由になった口でそう言ったけど……。



迫力なんかありゃしない。



もー、どうしても。



恋する女の子の顔が隠せない。



恥ずかしくて、顔なんてあげられない。



だから、一生懸命うつむいた。
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