「この顔見るのは“俺”限定」
「桐山。
おまえ、ちょっと来い」



汐見廉の声がした。



「……え?」



繭をさがすのをやめて、声がした方を見る。



そこには、イラッとした様子の汐見廉が立っていた。



「ツラかせ」



ニコリともしない険しい顔。



汐見廉は親指を突き立て、後ろにクイッとすばやく動かした。



「……っ」
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