「この顔見るのは“俺”限定」
「あの……あたし……。
人さまに……。
お見せできないほど……ひどい顔……してる?」



「……は?」



「皆様に……。
そんなにも……。
ご迷惑を……おかけ……してるの……かな?」



「は?
おまえ、なに言ってんだよ」



「だって、汐見くん……。
この顔、他の男に見せるなって……」



それを注意するために、あたしをここまで連れてきたんでしょ?



なんだかものすごく悲しくなって、あたしは視線をものすごくさげた。



汐見廉の指が、あたしのあごからスッとはずれる。
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